インフォシークの開発力を評価

楽天は、インフォシークの検索エンジンとしての開発力を評価した。Yahoo(ヤフー)とインフォシークは、米国でも優れた技術を持つ検索エンジンだと考えられていたのだ。当時、Google(グーグル)はまだ無名の存在だった。

楽天の主力事業は、ショッピングサイトの運営。一時は脚光を浴びたビジネスモデルだが、将来性を疑問視する声が投資家の間に上がり始めていた。そんな見方を払しょくするために仕掛けたのがポータルビジネスへの進出だった。

YahooとAmazonのような関係

楽天は買収後、インフォシークのサービスをそのまま継続していくことにした。インフォシークのブランドを守るためにも合併はしない考えを示していた。

将来的には株式公開をする可能性もあった。ポータルサイトと電子モールとして、米国におけるYahooとAmazonのような関係を築きたいと考えた。

ディズニーが売却

米インフォシーク社は、米ディズニーが2000年に買収した。インフォシークは、ポータルからコンテンツプロバイダーのビジネスに転換した。その結果、日本のインフォシークの方向性が揺らいだ。

一方、楽天もメディアとしての検索サイトに興味を持っていた。楽天とインフォシーク両者の利害が一致した。

ネット企業の買収額としては過去最大

インフォシークの売上高(2000年9月期、未監査)は11億4500万円、経常損益は6億4900万円の赤字。対して、楽天の買収金額は90億円。日本国内におけるネット企業の買収額としては過去最大級だった。

ディズニーがインフォシークの売却を考えているとの噂が業界に広がったのは2000年の夏ごろだった。ディズニー側がインフォシークにつけた当初の値段は500億円前後だったといわれる。

米国で買い手が見つからず

大手メディアなどを中心に回ったものの交渉がまとまらなかった。その中で値段が徐々に下がっていった。その結果、楽天が90億円という値段で買い取った。

「これで集客力も増え、さらなる発展が見込める」と楽天の三木谷浩史社長は今回の買収に期待を寄せた。